実は16巻から読んでいなくて、時間が取れたので一気に読みました。「パンドラ・デバイスって設定あったよな、そういえば」とか思い出しながらだったのですが、やっぱり面白いですね。
なんだかネネさん、かなりピンチなのですが、大丈夫なのでしょうか。ほんと、心配です。
さて、最近、人工知能や機械学習の話は一気に盛り上がっていて、攻殻機動隊の世界も近くなってきているような気がしていたりしますが、そのあたりの影響を本書もそれなりに受けていたりするのでしょうか。なんとなく、受けているような印象を持ちました。
話の内容とは直接関係ないのですが、「ネットワークを人間がどう知覚するのか」というのは、なかなか興味深いですよね。アニメの攻殻機動隊での表現もありなのでしょうし、紅殻のパンドラでの表現もありなのでしょう。情報は人間が知覚できる形にならないとやっぱりつらいですよね。コンソール画面に文字列というわけにもいかないわけで。ジュラシックパークのUNIX画面で良いというわけにもいかないし。
それで、「ネットワークを人間が知覚できる」という状態になったとして、それは人間が直接ネットワークに接続するということが発生する時に必要になるわけですが、そうなると大量の情報が溢れている世界の中で「自己の保持をどうするのか」という話は当然出てくるものになるわけですね。それを、こういったストーリーの中で説明されると、日常生活の中では気づかないことに気づかされたりして、刺激を受けますね。
現在でも、つい最近まで存在しなかったSNSを人間が使うようになって、従来とは個人が接する世界が変わってしまってきているわけですが、その結果、これまでとは違ったアイデンティティの確立が求められるような世界になってきていると感じています。これまでの常識が通用しないことが増えてきているのですよね。そんなことを考え始めると、いろいろなアイデアが出てきて尽きません。
電脳という設定は本当に面白い。自分の中のゴーストが囁きますね。